
「子宮頸がん・HPVワクチン・定期検診」経験者だからこそ伝えたいこと
2023年の夏、出口クリスタ(日本生命所属)は「子宮頸がん高度異形成の一歩手前」という診断を受けた。
競技人生の真っ只中、パリオリンピックを翌年に控える大事な時期だった。
その自身の経験をきっかけに、クリスタは今、子宮頸がん検診やHPVワクチンの重要性を積極的に発信している。
「全部崩れたと思った」定期検診で受けた診断
クリスタが初めて婦人科を受診したのは、高校生の時。
もともと生理が重く、ひどい時は鎮痛剤も効かないほどの腹痛で、練習ができない日もあったという。
10代の頃から通院していたこともあり、婦人科検診も定期的に受けていた。
この日もいつもと同じだと思っていたはずが、医師の診断が心を大きく揺らした。
「子宮頸がん高度異形成の一歩手前と言われて、診察室で泣いちゃったんですよ。がんって言われたような気がして…オリンピックの計画も全部崩れてしまうかもと不安になったし、あの時はつらくて、相当落ち込みましたね」
しかし、医師の説明や優しい言葉に救われ、自身でも色々調べることで理解を深めることができ、徐々に気持ちを落ち着けることができたという。
発信の原点は、当事者になったからこそ
SNSで公表した投稿には多くの反響があった。
実際に、大学の後輩からワクチンの相談や、婦人科系の悩みを打ち明けられることが増えたという。
そして、学生は部活が優先になってしまうからこそ、周りの大人が行っておいでと言ってあげる環境が必要だと言う。
「私は実際にこの経験をしたからこそ、発信しようと思いました。正直、もし何も問題がなかったら、ここまで積極的に発信していなかったかもしれません。当事者だから届けられる言葉があると思っています」
また、寮生活で早いうちから親元を離れる学生も多いため、地域の産婦人科と学校の連携も重要だと語った。
クリスタが強調するのは、「自分の体を理解できない人は強くなれない」という信念だ。
自分の体のことを口にするのは恥ずかしいことではないということを積極的に発信し、安心して相談できる環境をつくる手伝いができたらと考えている。
そして最後に、力強くこう話した。
「みなさん、定期検診は必ず受けてください!早く気づけるかどうかで未来は大きく変わります!そして、子宮頸がんはワクチンで予防できるがんなので、ぜひ接種を検討してほしいと思います」
出口クリスタのメッセージは、決して特別なものではないかもしれない。
しかし、その言葉一つ一つには、一人でも多くの人に一歩を踏み出してほしいという願いが込められている。
予防できる病気を予防するために、そして、未来の選択肢を守るために。
自分の体と向き合うこと、それが自分の人生を守ることにつながる第一歩だ。
